ウェブブラウザー上で動作する将棋ゲームは、AdobeのFlash Playerを使用している物が多いです。例えば、2020年7月現時点で、Googleで「将棋ゲーム」を検索すると以下の様な検索結果が表示されます。
検索結果で表示されるページは以下になります。
- 将棋ゲーム「将棋 Flash」 – GameDesign
- 将棋サイト「きのあ将棋」 | QinoaSyougi
- 将棋ゲーム 将皇(FLASH版)
- 将棋 | 無料ゲーム – SMAHO
- 無料ゲーム | 将棋 | LINKS
- 将棋 | SDIN無料ゲーム
- つぼ将棋 | 無料ゲームは「ゲームのつぼ」
1位「将棋 Flash」と3位「将皇(FLASH版)」は、現状、Flash Playerで動作します。
私のパソコン環境(MacのChrome 83)では、Flash Playerのサポートは無効となっているため、「将棋 Flash」のページを表示すると、Adobe Flash Player is blockedと表示されます。
上記の様に表示されている場合は、将棋ゲームは動作しません。
主要ブラウザーのFlash Playerサポートステータス
Adobeは2020年末でFlashのサポートを終了する計画を発表しています。
上記ページに記載されているように、Adobeはサポート終了後はアップデートやセキュリティパッチは発行しないと記載しています。サポート終了前にFlash Playerをアンインストール(削除)することを推奨しています。
Chrome
Googleは、2017年7月25日に”Saying goodbye to Flash in Chrome“(ChromeでのFlashにサヨナラを言う)と言う表題の記事を投稿しました。
Chrome 76以降では、Flash Playerはデフォルトでは無効の設定になっています。そして、ユーザーにはデフォルトの設定を使うことを推奨しています。2020年末には、Chromeは完全にFlashのサポートを終了する予定です。
Safari
Appleの場合、2016年9月にリリースされたmacOS SierraのSafari 10からAdobe Flashはデフォルトで無効になっています。
Firefox
Firefox 69からFlashはデフォルトでは無効になりました。
Microsoft IEとEdge
Microsoftは、2019年後半にEdgeとInternet ExplorerのFlashのデフォルトでのサポートを無効にしました。2020年中に全てのWindowsバージョンでFlashのサポートを終了する予定です。
Flash終了による将棋ゲームへの影響
AdobeがFlashのサポートを2020年末で終了することを発表したのは、2017年7月です。3年以上の余裕をもたせて事前に発表を行っています。Flash Playerは、以前はウェブゲームなどでは主流の技術でしたが、現在は多くのブラウザーで標準のサポートから外れるようになっています。
しかし、Flashから代替えの技術への変更は工数もかかります。将棋ゲームでもFlash以外に対応するところと対応していないところに分かれています。
前者の代表が、きのあ将棋。後者が将棋 Flashや将皇です。
きのあ将棋は2017年にFlashPlayer版と同機能のJavaスクリプト将棋対局GUIを先行リリースしています。2019年3月からは、デフォルトの対局盤面をFlashPlayer版からJavaスクリプト版に切り替えました。
以前は将棋 Flashや将皇も利用者が多かったと思いますが、現在はブラウザーゲームでは、きのあ将棋が機能もダントツに充実していて独走状態と言えます。
将棋ゲームのトレンドが、対コンピューター棋士から将棋ウォーズに代表されるように対人対局型が主流になってきている事も、従来のブラウザー型の将棋ゲームでの非Flash対応が進まない理由としてあると思います。
Adobe のFlash Player終了によって、ブラウザー将棋ゲームの構図も変化の波が押し寄せています。
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